重い想い。

髪を切りに行った。

結婚式が終わったら切ろうか、ともともと話してはいたが、同時に、せっかくだから寄付しようかな、とも話していたので、山下さんに事前に連絡して、やり方とかを伝えておいた。

ヘアドネーションって言うみたいですね。

病気の子供のかつらを作るボランティア?らしい。

幼少の頃読んでた海外の童話とかに、時々、長い髪を切ってそれを売って飢えをしのいだ、みたいな話があったなー、と思い出す。

この間テレビでみたレディガガも、リボンみたいなヘアアクセサリーを、自分の髪で作ったの、と言っていた。

自分の髪のかつらだったら、不自然さは0だもんな、同じものなわけだし。

やはり、人毛で作るかつらって、いいんだろうねー。

しかし、切り落とした髪の毛は、めっちゃ気持ち悪かった。

何パーツかに分けて、根元を縛り、

「では、断髪式を始めます」

とおもむろに、えりあしギリギリのところをザクザク切る山下さん。

その切ったひとふさが、オレが向かってる鏡の台のに置かれた瞬間、

「うわー!気持ち悪―!!」

と思わず避けてしまった。

全身に鳥肌がたった。

なんじゃこりゃ、すげー気持ち悪い。

次のふさを切り取り、また置かれる。

オレ「やばいくらい気持ち悪いですね、直視できない」

山下「うん、髪の毛って、気持ち悪いよね」

オレ「異様さが半端ないですね」

山下「触ってみる?」

オレ「いや、無理だ。こっちには触れるのに、コレにはもう触れないですね」

まだ自分にくっついてる方の髪の毛は、いつもの自分の髪の毛で、全然掴んだり手で梳かしたりできるのに、切り離された方は、さっきまで自分にくっついてたものなのに、視界に入るのも嫌なくらい気持ち悪い。

なんか、死体みたい、何かの死体。

うわー、存在感が、すげえな。

長いし(60センチくらいあった)、量もあるから、余計に。

きゃーきゃー言いながら、全部切り落とされ、怖い物みたさで写真に撮り、山下さんがソレをタオルに包んで、白いビニールのショップバッグに入れてくれた。

入れてくれたが、ソレは確実にそこにある、と訴えているような、呪いのような存在感。

ボランティア先に送るのは自分なので、帰りにその袋を渡され、手に持って帰ったが、タオル越しにも伝わってくる、訴え。呪い。

こわー。

吾朗に写真をライン。

「切り取ったよー。キモーイ!」

「きもーい!持って帰ってきたら殺す・・・」

「見えない袋に入れてくれたけど、持ってるだけでキモーイ!」

「ば、ばかやろう!!そんなもん家にあったら、寝てる時勝手に巻き付いてきそうでこえーだろうがっ!!」

うん、確かにそんな感じ。

なんか動きそうなの。

なんか、うん、呪いみたいな、怨念みたいな、意思じゃなくて気持ちで動きそうな、そんな感じ。

そんなモノを毎日背負って生きてたのかー。

あー、さっぱりした。